キンレイは今期も中期経営方針で定める「数から質への転換」と「人的資本への投資強化」という二つの重点戦略を深化させ、さらなる事業拡大を狙う。

 前2026年3月期の売上高(食品事業)は前期比101.1%の172億円で着地。販路別では量販が102.5%の83億円、生協が103.4%の42億円で、全体を牽引した。

 今27年3月期は売上高183億円(106.0%)を目標に据える。量販87億円(109.6%)、コンビニ47億円(117.5%)、生協42億円(100.0%)、業務用その他7億円(100.0%)と、全ての販路で前年をクリアする計画だ。

 キンレイの主力冷凍麺「お水がいらない」シリーズは今期第1四半期もうどん、ラーメンともに前期比106.4%と好調に推移。昨年発売したプレミアムラインも第2弾の「中華蕎麦とみ田 濃厚豚骨魚介らぁめん」を含め3商品のラインアップで115%と計画を上回っている。また、26年春夏商品の「台湾ラーメン」と「つけ麺」シリーズも好調で、特につけ麺は夏場を支える存在として期待の商品だ。

 24年12月に創業50周年を迎えたキンレイは昨年8月から今年6月にかけて過去最大規模のキャンペーンとなる「50周年大感謝祭」を展開。対象商品を購入すると付与されるポイントに応じて応募コースが選べるという内容で、延べ10万人以上が参加する盛況となった。また、50周年事業として同社初の社史を制作したほか、オンライン上に特設サイトを公開して50本の記事を掲載。社内外に「キンレイのおいしさ」の背景を届ける取り組みを展開した。

 今期の秋冬に向けた展開としては、「お水がいらない」シリーズの累計3億食突破に合わせ、9月に同シリーズの「天下一品」をリニューアルする。価格を維持しながら麺とスープあわせて50gの増量を実現。さらにスープのこってり感をアップし、麺も小麦粉の配合比率を見直すことで硬く仕上げ、改良したスープとの絡みを良くした。また、「同 京風だしのおうどん」は、かつお節の「自社削り」を導入することで削りたての香りを最大限に生かす仕様にリニューアルする。さらに、「ボリューム感・満足感(背徳感)」のニーズに応える新商品2品も投入する予定だ。

お水がいらない 天下一品
お水がいらない 京風だしのおうどん

 7月14日の記者発表会で、白潟昌彦社長(冒頭画像左)は「今期も『横綱』『横浜家系』『天下一品』といった主力のラーメン商品をしっかり売っていく。また、うどんカテゴリーでは筑波工場と大阪工場に導入している自社削りの設備を生かして愚直に品質向上を図っている。人への投資に関しては、部長職から順番に人間力を高めるための研修を重ねており、今期からは健康経営への取り組みも戦略的に実践していく」と力を込めた。

 キンレイは同社ならではのモノづくりを追求するとともに、無形資産への投資も惜しまず、さらなる成長を目指す構えだ。