アマゾンは5月13日、購買特化型のAIアシスタント「アレクサ・フォー・ショッピング」を米国のアマゾン・ショッピングアプリおよびウェブサイト、エコーショー端末向けに提供開始したと発表した。同社がこれまで別々に展開してきた購買AIアシスタント「ルーファス」と、生成AI機能を持つ音声アシスタント「アレクサ+(プラス)」を一つのサービスに統合したものだ。プライム会員資格やエコー端末を持たないユーザーも、アマゾンアカウントにログインすれば無償で利用できる。

 アレクサ・フォー・ショッピングは、ルーファスが持つ商品知識と購買履歴に、アレクサ+が保有する利用者の個人的な文脈や会話履歴を組み合わせた点が特徴だ。アマゾン・ショッピングアプリ上での閲覧・購買データがアレクサの応答精度に反映される一方、エコー端末などでアレクサに伝えた情報がアマゾン上の購買体験に活用される双方向の連携が行われる。ルーファスは2025年に3億人超の利用者を持っていたとされ、アレクサ+は数億台の端末で稼働している。

 新機能として追加・強化された主な項目は以下のとおりだ。アマゾンアプリのメイン検索バーに直接質問を入力すると、アレクサ・フォー・ショッピングが回答や商品提案を行う。検索結果から複数の商品を選択して横断的に比較できる機能も加わった。検索結果ページおよび商品ページの上部には、AI生成による商品カテゴリーの概要が表示される。商品ページでは過去1年分の価格推移を確認できる。定期購入の自動化機能では、毎月の食品補充や特定価格への値下がりを条件とした自動購入など、細かな条件設定が可能な「スケジュール・アクション」を設定できる。

 アマゾン以外の他社オンラインストアの商品検索や、代理購買機能「バイ・フォー・ミー」による購入手続きの自動化にも対応する。また、家族構成・ペット・食の好みなどの個人情報を登録・更新すると、推薦精度に反映される仕組みだ。

端末上で商品の購入まで完結

 エコーショー端末では、アマゾンのショッピングサイト全体を音声・タッチの両方で操作できるようになり、端末上で直接商品を閲覧・購入できるようになった。これは同端末における初めての対応となる。買い物以外の操作(スマートホーム制御・音楽再生・家事管理など)については、アレクサアプリまたはアレクサ・ドット・コム上のアレクサ+に引き継がれる。

 アマゾンの会話型ショッピング担当副社長ラジブ・メータ氏は、「過去の購買履歴や好みを把握した個人専属の買い物アシスタントのような存在で、スマートフォン・パソコン・エコー端末をまたいでその文脈が引き継がれる」と述べた。

 今回の発表は、アマゾンが購買に関わる複数のAIサービスを統合し、利用者の行動データを横断的に活用する体系の構築を進めていることを示している。ルーファスとアレクサ+という別々に育ててきた資産を一本化することで、端末・サービス間でのデータ連携を深める狙いがある。