金のロールオンは前年比1.7倍を超える
厳しい夏を前に、ギャツビーの存在感が一段と高まっている。近年、猛暑日は増加傾向が続き、かつてはお盆を境に落ち着いていた気温も、現在では秋まで高止まりするのが一般的となった。その結果、制汗・デオドラントカテゴリーは使用頻度の上昇と需要期間の拡張という二重の恩恵を享受している。こうした環境変化を的確に捉えたのが、メンズブランド「ギャツビー」である。とりわけ2024年2月発売の直塗りタイプ「EXプレミアムタイプデオドラントロールオン無香料〈医薬部外品〉※1」(60mL・オープン価格・愛称、金のロールオン)は、制汗力への期待を背景に支持を拡大。売り上げは二桁成長を継続し、25年7月には累計出荷100万本を突破し、26年1月時点では累計出荷本数が計画比150%を超えている。
ヒット要因は、商品、マーケティングの二つの戦略が機能している点にある。商品戦略では、同社の先端汗腺研究に基づく独自技術を最大限に活用。「汗を眠らせ、ニオわせない※2」という新しい価値を市場に提示した。2種の殺菌成分によるニオイ抑制に加え、吸水速乾処方により汗が漏れ出ても素早く乾く設計とし、快適な使用感を実現。高付加価値商材として確固たるポジションを築いている。
※1 販売名は「デオドラント ロールオンOA」である。
※2 クロルヒドロキシアルミニウムによってフタをし、汗を留める制汗効果のことである。
この高機能設計は、汗を目立たせたくないという女性の強いニーズにも対応。ギャツビーブランドが持つイメージも後押しし、従来品に比べて女性購入率および本人使用率は著しく高い。ギャツビーの「金のロールオン」は、男性需要にとどまらず女性需要も取り込んだことで、売り上げが拡大。しかも持続性をもたらしている。
マーケティング戦略では、お笑いコンビ・マヂカルラブリーの野田クリスタルを起用したテレビCMが話題になり、認知拡大が加速している。黄金の王国の王様〝WAKING〟に扮した野田を前面に打ち出し、「ワキには、金。」のフレーズで「金のロールオン」を強く印象づけている。「野田さん起用の金シリーズ施策は独特の世界観とインパクトあるクリエイティブが記憶に残る表現になりました。社内でも『ギャツビーらしい』と好評です」と同社ブランドコミュニケーション部の渡辺雅史シニアマネジャーは破顔する。直塗りタイプは各社が注力する成長領域で競争も激しいが、汗腺機能に着目した独自基盤研究技術と生活者の心をつかむコミュニケーションが相乗効果を発揮し、存在感を一段と高めている。
同社は26年も金シリーズのライン強化を継続する。2月23日にデオドラントスプレー「EXプレミアムタイプデオドラントスプレー 無香料〈医薬部外品〉※3」を投入し、直塗りで確立した高付加価値ポジションをスプレー領域へと拡張する。同商品はロールオン同様、先端汗腺研究から生まれたEXプレミアム処方を採用し、ニオイ発生を抑制するとともに汗の出口へアプローチする制汗技術に加え、汗そのものを吸着する処方を組み合わせ、快適な肌状態を持続させる。シリーズ史上最強の密着処方により殺菌成分を長時間肌にとどめる高密着技術も取り入れた。
※3 販売名は「デオドラント スプレーG1A」である。

「金のロールオン」には新たに「ハーブ&ムスク」の香りを追加。体臭研究の蓄積を基盤とした汗臭ともフィットする機能性香料を採用した。渡辺シニアマネジャーは「長年蓄積してきた体臭研究に基づく高精度の汗臭サンプルを活用し、汗をかいた後も違和感なく心地よい香りが続く設計にしました」と強調。汗臭と香りが混ざる不快感への対応は、新たな差別化軸となりそうだ。
金のシリーズは認知から購買への転換率が高い点も強みだ。そのため26年は認知拡大を重要テーマに掲げ、テレビCMに加えデジタルを含めたリーチ施策を強化。想起率向上と接触機会最大化を図る。「CM楽曲は生活者への浸透度が高く、〝音の資産〟として機能していることから、リアルとデジタル双方で活用し接点拡張を狙います」と渡辺シニアマネジャーは意気込む。
各種限定香調からヒット商品が誕生
ギャツビーは、酷暑を背景に拡大するボディペーパー需要も着実に取り込んでいる。ファン獲得に寄与しているのが、数量限定の企画品や23年に開始した流通各社専売の限定香調展開だ。流通各社の顧客層や売り場特性に合わせてそれぞれ独自の香調を開発。ボディペーパーの代名詞である強い清涼感は維持しつつ、性別にとらわれず高い美容意識を持つユーザーをターゲットに設定。製販一体で店頭露出を強化し、売り上げを押し上げている。
一例が「フリーズピーチ」。数量限定の企画品として投入後、女性支持を背景にヒット商品となり、定番発売へと切り替えた。ストア専売品であった「キンモクセイ」も26年春に定番化され、全国配荷が始まる。「生活者調査を基盤に嗜好変化を捉えた結果です。根底にあるのは、マンダムが大切にする生活者へのお役立ち姿勢だと思います」と渡辺シニアマネジャーは力を込める。

26年春には「クレイジークール」シリーズも刷新。シリーズ史上最大量のクール成分を配合し、冷感の高さと持続力を強化。酷暑常態化のなか、〝瞬時に涼しくなりたい〟というニーズや強い冷感志向層に応える設計だ。パッケージをリニューアルし「クール感平均マイナス14.8度※4」を訴求する。外出中の対処用途に加え、〝外出前のひと吹き〟という予防的提案まで広げ、使用シーンの拡張を図る。
酷暑の長期化を追い風に、ギャツビーは夏商戦の主導権を握りにいく。
※4 マンダム調べ(n=10) / 評価方法:温度制御装置で皮膚温度変化の感覚値をクレイジークール ボディウォーターP無香料で測定(1プッシュ)/評価環境:室温30°C 湿度60%/ を示すものではない。クール感の感じ方には個人差がある。














