商社系卸の中では些か見劣りした三井食品が生まれ変わろうとしている。三井食品を中核に、三井物産傘下の流通企業5社が統合。個社最適から、流通全般に関わる機能を網羅、「三井物産流通グループ」の企業名そのままに、全体最適追求の食品卸へ変貌していこうというのだ。同じグループ企業とはいえ5社統合の難事業。だが成功すれば新たな機能卸誕生の可能性も秘めている。(インタビュアー・栗田晴彦)

大きな規模感でリソースを有効活用

 ――三井食品など5社が合併、昨年4月に三井物産の流通戦略の中核会社として発足しました。合併会社の船出は、やはり何かと大変だったのでしょうか。

 柴田 合併5社はいずれも三井物産傘下の会社で、言わば身内の経営統合です。ですが5社が同時に合併し、規模が一気に2倍になる統合は、地方の卸さんを吸収しながら大きくなった三井食品にとっても初めてのことです。それだけにシステムなど統合の準備は入念に進めてきたんですが、最初の1カ月は社員にちゃんとお給料を払えるのか、本当に月次の決算はできるのかと、まさにそういう状況からのスタートだったというのが偽らざるところです。

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