世界の小売業カルフールが日本に進出した際提唱した、「コストオン方式」に積極的に応じたように、中央物産は進取の気性に富み、独自の存在感を示している。2016年中央物産は、CBグループマネジメントを設立して持ち株会社制に移行。今年は創立100周年を迎えた。100年企業が続いたのは、「新しいことへのチャレンジ精神の賜物」と原社長は言う。グループの中核企業中央物産の社長として日雑卸の新機能開拓への挑戦の姿勢は依然旺盛だ。(インタビュアー・栗田晴彦)
バンドル販売で単価引き上げを提案
――新型コロナ感染が発生して以降、マスク、トイレットペーパーなど消費者の買い占めが止まりません。小売業の注文にどう対応しているのですか。
原 大変の一言です。ただ日本はこのところ災害が多発していますよね。しかも規模が大きい。昔だと何年に1回とかの大型台風や大雨、地震が立て続けに来て、気象庁も対策をしっかりと呼びかけるじゃないですか。我々もそこから学び、実は在庫の持ち方を変えたんです。台風なら電池、花粉ならマスクとか、何かが流行るシーズンになる前には、必要なものを通常の2倍ぐらい持とうと。今までは2割増しだよ、去年よりちょっと多めで行くよという程度だったんですけど。
――備えの在庫を思い切って増やすようにしたのですね。
原 それで昨年、千葉県に台風が来て停電になった時も、うちの営業マンが必要と思われるものを車に乗っけて、行けるところまで行ったんです。中でも被災者の方に一番喜ばれたのは、携帯電話の充電器。我々は電池や懐中電灯だと思っていたので、これも一つ勉強になって。こんな風に非常時対応を強化してきていたので、今回のコロナでも我々スタート時点では、マスクも消毒剤も結構余裕があったんです。ですからお得意先には、ほんの一瞬だけ幸せになっていただけたかもしれない(笑い)。今はもうマスクありません、消毒剤ありませんで、時々入ってきたものを皆さんにお配りしているだけですけど。