価格と粗利のバランスが問われた
セブン&アイ・ホールディングス(HD)とイオンの大手小売り2強の2025年2月期決算が出揃った。インフレ下での価格の打ち出しと粗利確保のバランスが問われたこの1年。結果はともに小売事業が苦戦し、セブン&アイは中間期、イオンも期末決算の直前に下方修正を余儀なくされ、両社増収減益での着地となった。
セブン&アイHDは、営業収益が11兆9727億円(前期比4.4%増)、営業利益4209億円(同21.2%減)の増収2桁減益だ。減益要因は国内・海外両CVS事業の不振にある。ともに上期から消費者の節約志向対応に苦慮し、中でも海外CVSは上期に粗利抑制で価格を打ち出したものの、効果は限定的でむしろ粗利を毀損。粗利のバランスを修正しつつ、オリジナル商品の提供などを含めたプロモーション強化で食い止めたものの、28.3%の大幅減益となった。国内CVSも「高い」のイメージを払拭するため、下期から「うれしい値」商品群による価格打ち出しを強化。それが客数増に一定の効果を上げたものの、やはり粗利率を落とし6.8%の減益となった。
