アリナミン製薬が若年層の取り込みを強化している。2024年度はアリナミンブランドと人気アニメ「推しの子」「ブルーロック」とのコラボレーション企画を夏冬の各シーズンで実施。「SNSの反響もあり、アリナミンを知らない若い層のお客様の獲得につながった」とプロダクト戦略本部 第1マーケティング部 アリナミンドリンクグループ陳野重也グループマネジャー、ドリンク担当の太田淳士氏は振り返る。これを受け、今夏も人気コンテンツとの協業企画を計画。今年3月に立ち上げた公式インスタグラムを含む、SNSを活用した宣伝活動を通じ、より一層ブランドの認知拡大・若年層の新客獲得に力を注ぐ方針だ。

 ゼリー状飲料※1「アリナミンメディカルバランス」(指定医薬部外品右)でも、昨年4月に加わった「ソーダ風味」をフックに若年層にアプローチをかけている。ソーダ風味のパッケージは、従来の3品とは異なり、抗疲労成分「フルスルチアミン」(ビタミンB1誘導体)の効能を示した文言を「疲労の回復・予防に」から「集中力の維持・改善に」に変更、そのフレーズを生かして狙ったのが受験生の取り込みだ。

※1 流動性のある粘稠なゲル状の液の製剤

「24年度下期には、受験生と親和性が高い関連メディアへ広告出稿するなど露出を高めた結果、一定の顧客獲得効果を確認できた」(アリナミンメディカルバランス担当・柴田浩平氏)

 同社が若年層の取り込みを強化するのは、中長期的に未来の「アリナミンユーザー」を増やしていきたいからだ。「10代、20代のお客様に使っていただくことで将来疲れが出やすい年齢になった時に『アリナミン』を想起してもらいたい」と柴田氏は力を込める。

 もう一つ、新たな客層の取り込みに成功しているのが、ドリンク剤「アリナミンナイトリカバー」(指定医薬部外品)シリーズから2月に発売した粒タイプの「アリナミンナイトリカバー 快眠ユーグレナ」だ。アリナミンブランド初の機能性表示食品で、機能性関与成分「ユーグレナグラシリス由来パラミロン」が、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善し、起床時の疲労感を軽減する。陳野氏は、「ユーグレナ(微細藻類)の認知度の高さから、自然由来のサプリメントを好む人など、新たな層の接点拡大に寄与しており、徐々に販売実績を伸ばしている」と手応えを語る。

アリナミンナイトリカバー 快眠ユーグレナ

 同シリーズでは、ミュージカル俳優の山崎育三郎を起用したテレビCMでキャッチコピー「朝が変わる。」をわかりやすく表現。ドラッグストアを中心にシリーズ拡売を目指す。

(冒頭写真 左からアリナミンV、「アリナミンメディカルバランス」ソーダ風味)