ドイツのディスカウント大手、アルディ・ノース(Nord)は3月13日、東フリースラント地方のマリエンハーフェにおいて、木造フレーム構造を採用した100店舗目の新店舗を開業した。

 木造建築の導入は、2022年9月以降アルディ・ノースの標準建築仕様として定められている。今回の新店舗開業に際し、アルディ・ノースの不動産・事業拡張部門マネージングディレクターであるトーステン・ヤンケ氏は「100カ所目の木造フレーム構造店舗の開業は、当社がイノベーションと持続可能性を真剣に追求していることの証である」とコメントしている。

 アルディ・ノースが木造フレーム構造を採用する理由の一つは、環境負荷の大幅な削減である。あらかじめ製造された木製建材を現地で組み立てる方式を採用し、資源の消費を抑えるとともに建設期間の短縮を実現している。一般的な建設方法と比較して工事の簡素化が進み、通常約6カ月で店舗を完成させることが可能となる。

 さらに、木材を主要な建材として活用することで、CO₂排出量の大幅な削減が期待できる。レンガ、鉄鋼、セメントの製造はエネルギー消費量が多く、CO₂排出量が多いが、木材はこれらの材料と比較して製造過程における環境負荷が低い。加えて、木造建築は天然のCO₂貯蔵庫としての役割も果たし、周囲の気候保護にも貢献する。

デザインと機能性を両立した持続可能な新店舗

 ヤンケ氏によれば、すべての新築および改装済みのアルディ・ノースの木造店舗は、モダンで魅力的なデザインを特徴とする。特に、開放的な天井と明るい屋根梁が、店内に心地よい雰囲気を生み出し、快適な購買体験を提供している。

 さらに、木材には温かみのある質感があり、室内の湿度を効果的に調整する機能も備えているため、快適な空間作りに寄与する。25年末までに、アルディ・ノースはさらに多くの木造フレーム構造の店舗を開業する計画。

 木材の活用だけでなく、アルディ・ノースは店舗の省エネルギー対策にも積極的に取り組んでいる。木材は適切に管理・加工されることで数十年にわたり耐久性を維持し、気候の変化や害虫の影響を受けにくい。この特性により、長期的なメンテナンスコストの削減にもつながる。

 また、新築および改装店舗の多くには、太陽光発電システムが導入されており、店舗が自ら発電し、クリーンエネルギーを活用することが可能となる。