ウォルマートは9月17日、会員組織サムズクラブの従業員の報酬体系を再構築し、新プランを導入すると発表した。約10万人の現場従業員の賃金上昇を加速させる考え。

 競争が激化する流通業界では、優れた人材を確保し、維持することが競争力のカギ。新プランでは、従業員の賃金が勤務年数に応じて3%から6%増加する。これにより、従業員は長期的な昇給イメージを描きやすくなる。過去5年間で約30%増加した平均時給も、新プランで19ドルを超える見込み。

 サムズクラブのクリス・ニコラスCEOは、今回の新しい報酬制度が単なる昇給にとどまらず、従業員とその家族に対する「希望と機会」を提供するものであると強調している。

 サムズクラブは従業員のキャリアアップにも注力している。過去5年間で、時間給従業員が月給制の管理職に昇進した割合は約400%近く増加しており、管理職の4人に3人が時間給従業員としてキャリアをスタートさせている。

 新しい給与プランは、2024年11月2日より実施の予定。それ以外にも、以下のような取り組みを進めている。

 - フルタイム従業員向けに、働く時間帯を固定した働き方を導入、従業員が毎週安定したスケジュールで働けるようにすることで、仕事と生活のバランスを向上させる。

 - フルタイム従業員の割合を11%増加させ、さらに多くの従業員が週40時間のフルタイム勤務を達成できるようにする。

 - 従業員が給与、割引、学習機会、福利厚生を簡単に管理できるモバイルアプリ「Me@Sams」を導入する。

 - 部門の壁を越えたトレーニングを広げ、役割の種類を60%以上簡素化するための作業グループを作る。