スパイスとハーブの可能性を追求しているエスビー食品が春夏新商品を打ち出す。2025年春夏商品は新商品56アイテム、リフレッシュ品37アイテムの93アイテムをラインアップ。発売後1年間の売り上げ目標(小売りベース)として約226億円を掲げる。
「作ってみたい」に応える洋風スパイスを拡充
香辛料カテゴリーでは、昨年発売した洋風スパイス「スティックスパイス」シリーズを強化する。「スティックスパイス」は個包装で、スティック1本で小さじ1杯分の小容量が特徴。こうした点が支持され、洋風スパイスの未経験者や、経験後の離脱者が購入者の4分の1以上を占めるなど、トライアルユーザーの獲得に貢献している。また購入者の約8割が継続して購入する意向を示しており、満足度の高さから洋風スパイスの使用機会の拡大にもつながっている。
洋風スパイスを使うことには、「憧れのメニューを作りたい」「料理をワンランクアップさせたい」などの期待がある。その「作ってみたい」の声に応えるアイテムを、この度拡充。近年人気のあるスパイスカレーや台湾・中華料理、バーベキューといったメニューで利用が見込まれるスパイスやハーブを中心に「クミンシード」「チリーペッパー」「ヒハツ」「花椒」「ローズマリー」「五香粉」の計6品(冒頭写真)を追加発売する。ラインアップの拡充により、スティック1本の使い切りだけでなく、複数アイテムを組み合わせて利用するメニュー提案もさらに強化していく。
パッケージには、使い方提案や、素材ごとのレシピサイトにつながる2次元コードを掲載して使用シーンの想起を促している。消費者の「作ってみたい」に応えるラインアップで、トライアルニーズのさらなる喚起と利用機会の拡大を狙う。
シーズニングでは、三つ星フレンチシェフのダニエル・マルタン氏監修の「マジックソルト」を刷新する。08年の発売以来、素材のおいしさを生かす味わいと親しみやすさが高く評価され、№1ブランド※として市場をリードしている。
同ブランドのさらなる強化に向けて発売するのが「柚子」と「バーベキュー」だ。「柚子」は、柚子や陳皮などの柑橘素材を掛け合わせ、華やかで深みのある香りを表現。パセリやチリーペッパーを加えて、上品で爽やかな味わいに仕立てている。もう一方のバーベキューは、シーズニングを肉料理に使いたいというニーズに対応し、15種類のスパイスとハーブを絶妙にブレンド。ブラック、ホワイト、燻製ブラックの3種のペッパーとローズマリーの重厚な香りが肉料理や炒め物のおいしさを引き立てる。
このほか、爽やかなタラゴンと鮮やかな香りのパセリに、トマトパウダーやすりごまで旨みや味の奥行きを表現している「オリジナル」と、ロースト・乾燥の2種の素材を使用した芳醇な香りと旨みに、鮮やかなパセリとチリーペッパーを配合している「ガーリック」の2品はパッケージをリフレッシュ。新アイテムを投入し、今のニーズに合わせたラインアップにすることでブランド力の強化を図る。
※インテージSRI+汎用シーズニング市場 2020年10月~ 2024年9月 推計販売金額

さらに、チューブ調味料では「粗きざみ やくみミックス」を新発売する。麺類や豆腐、刺身などで、複数の薬味を組み合わせる食べ方が定着していることに着目。香りや涼味のニーズを満たすしょうが、みょうが、しその三つの素材を、異なる粒度でバランス良くブレンドし、噛んだ際のフレッシュ感と食べ飽きない食感を実現した。
使用メニューとしては、先述の代表的なものに加え、唐揚げや餃子なども提案。パッケージ裏面には焼き鳥のシズルを採用し、通年利用も訴求していく。薬味の複数利用メニューに対応する商品の投入で、チューブ調味料の食シーン拡大につなげたい考えだ。

スパウトパウチ採用で使い勝手を高めたオイスターソース
中華カテゴリーからは、「李錦記 パンダブランドオイスターソース スパウトパウチ」を発売する。オイスターソースはコロナ禍の内食増加に伴い、ユーザー層が拡大し、堅調に推移している調味料の一つだ。一方で、「使い切ることができない」「どのメニューに使用すればいいかわからない」などの理由から、市場調査での購入率は2割程度に留まっている。
そこで今回、使い切りやすい容量で液垂れしにくく、最後まで絞りやすい形状のスパウトパウチを採用した。中身を洗わずにコンパクトに捨てられるほか、冷蔵庫ポケットのすき間などで省スペース保存もできる。
味わいは従来のパンダブランドオイスターソース瓶タイプと同品質で、牡蠣の香りとコク、旨みをバランス良く生かし、マイルドに仕上げている。炒飯や焼きそば、炒め物、煮物の味付けなど、和洋中を問わず幅広く利用でき、パッケージ裏面には手軽に楽しめるレシピを紹介している。本格的な中華メニューの味付けができるオイスターソースをより手軽に使える便利な容器で提供することで、トライアル層の支持を獲得し市場拡大に貢献していく。

業務用のカレーフレークのおいしさを家庭で楽しめる商品として提案
物価高の中、節約志向が高まる一方で、こだわりニーズに応えるカレーフレークは即席カレー市場で堅調に推移している。今回新発売する「プロ仕様 ディナーカレーフレーク 中辛」は、外食シーンで長年支持されている「業務用ディナーカレーフレーク」の味わいを家庭向けに仕立てたものだ。
1980年発売の「業務用ディナーカレーフレーク」は、フォン・ド・ボーを使用したコクが料理人から絶大な支持を受け、カレー専門店やレストラン、ホテルなど多くの外食店で採用されている。このおいしさを家庭用に仕立てた「プロ仕様 ディナーカレーフレーク 中辛」は、スパイス、炒め玉ねぎ、小麦粉を中心に丁寧に仕立てたコクと、特製フォン・ド・ボーの深い香りでおいしさを際立たせているのが特徴で、外食クオリティのカレーが自宅で手軽に味わえる。
またフレーク状で溶けやすく量の調節がしやすいことから、パッケージ裏面でフレークならではの使い方や食べ方を提案する。ファスナー付きのパッケージにより1皿分の調理も可能にしているほか、いつものカレーのコク足しとしても利用できる。プロが認める本格的なおいしさを家庭でも楽しめる商品として提供することで、グルメ志向のニーズを充足する。

スパイスとハーブを生かした価値提案に強みを持つエスビー食品は、多様化する消費者のニーズに対応した商品開発を進化させている。新たなニーズの喚起から各市場を活性化し、持続的な成長につなげていく考えだ。