消臭剤のエステーは、手軽に米の虫除けができる「米唐番」を出している。そのシェアは実に八十数%に及ぶという。米不足の際もスーパーの売り場の横に吊り下げられ、いやでもお客の目に付き、また売り上げは跳ね上がった。だがそれも、虫除け成分は食品成分なので安心、炊いたご飯にニオイがつかない、交換時期がわかりやすいなど品質への厚い支持があってこそ。香りでウェルネスへの進出も確かな品質の裏付けがあることが窺える。(インタビュアー・栗田晴彦)

若者の声を生かした清潔な空間作り

 ――食品は消費者の節約志向が一段と強まっています。日用品はどうですか。

 上月 日用品にも低価格のベーシックな商品と付加価値商品がありますよね。買い控えなどの節約消費はどちらかと言うと低価格品の方で起きていて、付加価値品ではあまり見られません。当社の消臭・芳香剤「消臭力」も、今上期は玄関・お部屋用のレギュラー品は前年比101%程度だったんですが、付加価値品のプレミアムアロマシリーズは115%で伸びている。プレミアムアロマはレギュラー品より100~150円ぐらい高いんですけど、若干高くても生活を豊かにするものにはお金を使われる。コロナ以降顕著になったこの傾向は、足下でも変わっていないように思います。以前はこういうものはレギュラー品とプレミアム品の割合が大体9対1だったんですが、直近では「消臭力」はもう7対3になっているんです。

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