セブンイレブン時代に一度お会いしたことがある。いかにもやり手の商品開発担当者のイメージがあり、さぞやピースデリの社長としても敏腕を振るっているものと推察。ところが実際は課題山積に立ち向かう毎日、「惣菜は知ったつもりだったが今の実感」の吐露は、和瀬田社長の人柄ゆえだろう。マーチャンダイザーとしてのおいしさの追求から、それを受けて作る側への転換。開発と生産、その二つを熟知するトップが、イトーヨーカ堂復活の先兵役を担っている。(インタビュアー・栗田晴彦)
一番手間のかかるものが売れている
――流山キッチン、杉戸キッチンに続き、今年2月に千葉キッチンが稼働しました。
和瀬田 昨年3月稼働の流山とイトーヨーカ堂から承継した杉戸は生鮮(精肉・鮮魚)のプロセスセンター(PC)ですが、千葉は惣菜のセントラルキッチン(CK)と生鮮のPCを併設した施設です。ここが稼働したことで、生鮮と惣菜の両方を供給できるようになりました。千葉はまだ必死で動かしている状況ですが、生鮮も惣菜もすでに旧ヨークの店舗を含めてイトーヨーカ堂が首都圏で展開する約200店に供給しています。