立て板に水とはこのことか。米の可能性と米菓の魅力を語り尽くし、果ては海外への雄飛と話は進む。ジュネジャ レカ ラジュ氏が描く亀田製菓の戦略の原動力は、同氏の華麗な経歴に基づく。89年名古屋大学大学院生命農学研究科で博士課程を修了。バイオテクノロジーや発酵技術を研究、特に微生物が専門。太陽化学、ロート製薬でも海外グループ責任者を経験。個人としても200以上の論文・3冊の本を執筆し、特許権を135以上保有している。亀田製菓入社のきっかけは、田中通泰前会長との交流。同社のグローバル企業への転換はここから始まった。(インタビュアー・栗田晴彦)

米の可能性を引き出し新価値を創造

 ――昨年、「ライスイノベーションカンパニー」を目指すと宣言しました。

 ジュネジャ 亀田はご承知の通り米菓のトップメーカーですが、日本は人口が減っているので、国内米菓事業だけでは持続的成長は難しい。そこで海外事業、食品事業へウイングを広げ、国内の米菓業からグローバルな米業へ脱皮する取り組みをしています。ただその時に、亀田はどんな会社なのかが分かりにくい。米菓と言っても、海外ではなかなか分からないので。それで昨年8月に理念体系を再構築したんですね。「創業の心」「経営理念」など不変のものはしっかり引き継ぎながら、時代の変化に即した共有理念として「パーパス(存在意義)」、「ビジョン(目指す姿)」、「バリュー(価値観・行動指針)」を定義したわけです。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから