高いリピート率と支出金額で優良顧客を囲い込む
猛暑を追い風にドラッグセイムス(セイムス)のドリンク剤の販売が好調だ。今年6月のドリンク剤の売り上げは前期を超えて大きく伸長し、7、8月も好調に推移している。その中でも体力の回復や滋養強壮のドリンク剤として人気が高いのが「新リッチミン3000ロイヤル」だ。富士薬品ブランド(FB)の売り上げナンバーワンのドリンク剤で10本タイプを大々的に陳列、これに加え他のドリンク剤も軒並み売り上げを伸ばしている状況だ。
ドリンク剤売り場では、「体を守る力。」を訴求し、14種類の自然の生薬で作られ、その効能・効果によって長年支持を集める薬酒「薬用養命酒」(1000mL、700mL)との関連販売も強化。同商品の主な購入層は、滋養強壮を期待する60代、70代の客層が多い。このため買い合わせとしてドリンク剤を中心に、便秘薬、外用消炎鎮痛剤、大人用介護おむつ、入れ歯洗浄剤、清酒、カイロなどが併買率の上位に挙がっている。
ドラッグストア事業本部商品統括部の木俣徹也医薬品部長(冒頭写真左)は、「『薬用養命酒』は疲労回復という位置づけで購入されるお客様が多い。例えば、薬用養命酒の購買率が1に対し、『チオビタドリンク』が0.16ポイントと購買率の上位に挙がります。『薬用養命酒』は、FB、NBともに滋養強壮の栄養補給商品との買い合わせが高い傾向にあります」と指摘。続けて、「『薬用養命酒』の認知度、集客力を生かし、当社のFBや医薬品との関連販売を強化し、売り上げを底上げします」と木俣部長は力強く語った。
実際に養命酒製造が調査した購入者データ※では、「薬用養命酒」の年間リピート率は44.0%、年間売り上げ個数とともに医薬品・医薬部外品カテゴリーの中でともに上位3位以内に入った。またドラッグストアでは、お客の年間平均支出金額が約2万2000円だったのに対し、「薬用養命酒」の購入客は優良顧客の目安と言われる約6万円の年間支出金額に上ることから、「薬用養命酒」をマグネット商材として活用することが優良顧客の囲い込みにもつながり、さらに店舗全体の売り上げ増に貢献する役割がきいと言える。
※True Data社:2023年4月~2024年3月累計実績(薬用養命酒1000ml)
そこで、今回、秋冬季の棚割りでは、「新リッチミン3000ロイヤル」との同時陳列で訴求力を強化。「薬用養命酒」の専用陳列台も設置するなどFBとの併買率をさらに高める取り組みを進めている。また睡眠関連商品を集めたエンド棚の最下段に「薬用養命酒」を展開。「睡眠」をキーワードに寝る前の疲労回復につながる関連商品を集めた提案もしていく。
医薬品部の小林雅俊バイヤー(冒頭写真右)は、「『薬用養命酒』の購入層は、60代の女性が12.8%、続いて70代の女性が16.5%、男性が6.1%と高齢の女性ユーザーが圧倒的に多い。まだ30~50代の女性を取り込める余地は大きい」とユーザー層の拡大にも意欲を見せる。