イオンは昨年に続き、従来より一カ月早い、8月1日から、EC「イオンショップ」にておせちの一部商品の予約を開始した。
予約前倒しの理由について、イオンの土谷美津子副社長は、近年お客から寄せられる「親族が集まるお盆のタイミングで、次に集う年末年始に食べるおせちを選びたい」というニーズに応えたと説明。また昨年トライアルで行ったおせち2品の早期予約が予想以上の反響で手応えを得たことから、今回4品目に拡大したと話す。9月2日からは、「イオン」「イオンスタイル」約360店舗とWEBサイトで予約の本格展開を開始する。
土谷美津子副社長
イオンの調べによると、物価高・光熱費高騰の中でも、生活者は家族と過ごすハレの日への投資は惜しまない傾向にある。イオンはこういった行動変容に着目、今の生活様式に合わせた新しいおせちを提案する。
今回は、「にぎわい消費」をキーワードに、「おかずの品揃え」「和洋折衷型」「4〜5人前」の三つをテーマを意識し、商品を開発。オードブル要素を取り入れ、色んな味が楽しめるおせちをラインアップに加え、約160品目を展開する。
同日開催された新商品発表会では、和・洋・中を好みに合わせて一段ずつ選べる「選べるおせち」や、能登復興支援として発売する石川県の名店監修のおせちなど、バラエティ豊かな品揃えを披露した。中でも、早期予約可能な、年越しそば付き「トップバリュ 和洋中特大二段重『饗宴(きょうえん)』」(4〜5人前、税別1万9800円)は、73品目・3㎏超えでボリューム感満載。キーワードである、”にぎわい消費”を象徴するおせちの一つである。
「トップバリュ 和洋中特大二段重『饗宴(きょうえん)』」
土谷副社長は、正月のおせちは10年スパンでみると「アップトレンド」と強調。手作りおせちの需要は縮小しているが、その一方で、シニア、20代後半以降の若年層を中心に、単品やセット予約がECを通して年々増加している。昨年度の売上構成比は、ECと店舗が半々だった。
特に今年は、円安・物価高により、年末は巣ごもり傾向にあると予想。イオンの消費者アンケートでも「年末は実家に帰りたい」という回答が多く、イオンはこれを商機と捉え、イオンリテールおせち売り上げ1.2倍の目標を掲げている。
【2025年らしさを感じるおせちの一例】
大阪・関西万博おせち 二段重(本体価格1万9800円)
AIと創った未来創造おせち(同1万6800円)
会見に登壇したイオントップバリュの髙橋幹夫商品開発本部長
イオンリテールデリカ商品部の金子聡部長
日本料理「一凛」橋本幹造料理長は、食品添加物を使わないおせちをイオンと一緒に開発した