セブンイレブン・ジャパンは6月19日、「第2回セブンイレブン接客コンテスト全国大会」を都内で開催した。予選を勝ち抜いた各エリアの代表が決勝の舞台に集い、接客の技術を競った。
同コンテストは、同社が50周年を機に掲げた「健康」「地域」「環境」と並ぶ四つ目の柱「人財」にフォーカスしたものだ。「店舗で活躍している従業員が、もっと輝ける場がほしい」という加盟店オーナーの声に本部が応えるべく、昨年6月に第1回を開催した。
第2回となる今大会には、シフトリーダーの資格を持ち、かつ店舗の代表として選ばれた2476人がエントリーした。ここから地区大会、エリア大会を経て、22人が全国大会に駒を進めた。
コンテストの審査項目は、第一印象、レジ接客、商品のおすすめ、臨機応変さ、感動度(また来たいと思う瞬間)の五つだ。出場者は前半に基本のレジ接客を行い、後半はセブンのオリジナル商品をおすすめするという手順をこなす。ただ、第1回からの変更点として、今大会から来店するお客の年代・性別、また課題となる商品が当日の直前まで伏せられるようになった。普段の接客態度や、アドリブも含めた対応力がより試されるルールとなった。
こうした中で見事1位に輝いたのは、神戸三宮駅南店で働くベトナム出身のレ・ティ・フン・タオさんだった。全国大会に出場した外国籍の従業員は彼女が初めて。にこやかな笑顔と臨機応変な対応で審査員の心をつかんだ。タオさんは「ベトナムのお父さんとお母さんにこの気持ちを伝えたい。このコンテストはとても貴重な体験ができるので、皆さん是非参加してください」とコメントした。
接客コンテストは、従業員の働きがいを引き出し、店舗の接客力を向上することが第一の目的だが、併せて人手不足に対応する狙いもある。井口真一オペレーション本部加盟店研修部統括マネジャーは、「セブンイレブンの人手不足の状況を調べると、同じ町にある店舗でも、人手が足りている店、足りていない店があることがわかった。その差はずばり定着力にある。人が定着するために必要なのは、働き始めの“不安”に寄り添い、それを解消すること。これに向け、私たちは新人研修の実施などとともに、今大会に出場されたような優れたシフトリーダーさんを増やしていきたい」と説明。リーダーを軸とした新人教育の強化、働きやすい環境づくりで定着率を高めることで、将来の人手不足の解消にもつなげる構えだ。