コロナ禍超えの業績へ 流動性の高い若年層を獲得
カスミは今期、営業収益2918億8800万円という強気のトップライン計画を掲げている。この数字は、販促施策の変更が響いて減収減益に沈んだ前期(2698億9100万円)はもちろん、コロナ禍がスーパーにとって追い風となった2020年度の2880億1600万円をも上回るものだ。今年3月に就任した塚田英明社長は「前期は販促を変えたことの周知などに注力せざるを得なかったが、既存店売上高も客数も徐々に戻りつつある。今期はお客様への価値訴求の見直しや店舗活性化などに力を入れることで、十分に狙える数字。逆に言えば、そこまでいかなければダメだと思っている」と、反省も踏まえての意気込みを語る。
カスミは昨年7月に紙クーポンによる割引からアプリやカードによるポイント付与へと切り替えた影響で、1人あたりの買い上げ点数が減少し、一時は10%前後の客数減が続いた。来店客や物量の平準化を図ることで現場の負荷を減らし、新たな顧客接点の創出に振り向ける目的があったものの、「わかりやすさの面で課題があったし、お客様が理解して実際に使っていただくまでにも思ったより時間を要した」(塚田社長)。