欧州リテール業のテクノロジーに特化した見本市「ユーロCIS」が2月末の3日間、ドイツ・デュッセルドルフで開催された。41カ国から475社、1万3500人が集まり、会場は活気にあふれていた。この見本市で注目されたテーマをいくつか拾い、何回かにわたって報告したい。今回は、セルフレジ機能が付いたスーパーのカート「スマートカート」を取り上げる。
欧州人のスーパーでの買い物行動は日本とはかなり異なる。週1などのまとめ買いが普通で、1回当たりの購入数量が大きく重い。しかも、レジでは、店員が商品をスキャンするためにお客は買ったものをすべてカートから出してベルトコンベアに載せなければならず、また、勘定が済んだらお客は商品をマイバッグに入れる必要がある。その点、スマートカートは、お客自身が商品をスキャンしながらカートの中に入れ、代金の精算までするので、レジでの手間を大きく省くことができる。ただ、近年は、万引きなどの不正が急増しており、被害総額は売り上げの2%以上とも言われることから、スマートカートには、万引き対策が求められる。加えて、欧州の小売店に多い量り売り商品(野菜や果物など)への対応も欠かせない。