米百貨店ノードストロームが株式の非公開化の検討に入った。エリック・ノードストロームCEOとピート・ノードストローム社長が取締役会に通知した。
株主価値を高める手段を検討することを取締役会が承認するプロセスの一環で、通知を受け取締役会は独立した利害関係のない取締役で構成される特別委員会を設置。モルガンスタンレーとセンタービュー・パートナーズを財務アドバイザーに、そしてシドレー・オースティンとパーキンズ・コーイーを法律顧問に選任した。
1901年に靴店として創業したノードストロームは、ノードストローム、ノードストローム・ローカル、ノードストローム・ラックのブランドで全米約350店舗を展開している。ノードストロームやラックのアプリやウェブサイトを通じたデジタルショッピングも手がける。
前24年1月期は売上高146億ドル、税前利益1.47億ドルで減収減益。24年度は売上高が2%減から1%増の範囲内を予想しているが、第1四半期は赤字転落懸念もある。今年3月にはアパレルブランド「ノードストローム」を一新したばかり。
同社は2017年にも非公開化を検討したことがあるが、特別委員会は検討を中止している。また2018年には創業家のトップ陣による株式の買い取りを打診されたこともあるが、やはり特別委員会が却下している。同年には再び非公開化を検討したが実現しておらず、今回も協議の行方は予断を許さない。