ウォルマートがドラマとショッピングを融合させた新たな広告の展開を始める。ドラマ内に登場する商品をインターネットで購入できるというもので、アメリカでソーシャルメディアの動画アプリなどを中心に広がりつつある形態だ。

 ウォルマートによれば、アメリカ人の60%近くが今年のホリデーシーズンはソーシャルメディアを通じて買い物するとしている一方、ホリデーシーズンの習慣として、ツリーを飾ったりクッキーを焼いたりするよりも〝ホリデー映画〟を見ることを優先するという。

 そこでホリデーシーズン向けの新たな販促施策として、ロマンティック・コメディ(ロムコム)ドラマとホリデーショッピングを融合させたショッパブルコマーシャルシリーズを作成。ドラマ名は「Add to Heart(アッド・トゥ・ハート)」(写真)で全23回だ。

 ストーリーは、ニューヨークのデザイナーであるジェシカが、休暇のために故郷に戻る。旅先で荷物をなくした彼女が地元のウォルマートを訪れ、そこで昔の恋人ハビとばったり再会する。街のお祭り、飾りつけ、ショッピングの合間に、2人の気持ちが再び盛り上がりを見せる。その結末は?というもの。12月2日からTikTok(ティックトック)、Roku(ロク)、YouTube(ユーチューブ)で順次公開され、12月5日と8日に続きが公開される。

 ドラマの中に登場するホリデーシーズンの装飾品や、家具、出演者全員のファッションまで、ほぼ全ての商品がウォルマートで調達されたもので、その数は330アイテム以上。いずれもホリデーシーズンに欲しいものの上位にランクインするアイテムだ。ティックトックの動画ショッピング広告とロクの「Ok to Text」機能を活用し、自宅や外出先から買い物ができるという。

 ドラマに購買意欲をそそられることで、ネット通販の売上高が押し上げられるかどうか。取り組みの効果が注目される。