メイシーズが2月27日の本決算と同時に、店舗網の大規模なスクラップ&ビルドに乗り出すと発表した。ラグジュアリーブランドは強化しつつも、資金を捻出してオムニチャネル時代のデジタル投資に振り向ける。 

「大胆な新章」と名付けられた改革策では、26年までに生産性の低い約150店舗を閉鎖する一方で、将来性のある約350店舗への投資を優先する。高級百貨店のブルーミングデールズと高級コスメチェーンのブルーマーキュリーの店舗は最大45店舗拡大する。最終的に、6億~7億5000万ドルの資産を収益化する計画だ。 

 新戦略は、以下三つの戦略的優先事項から構成されている。 

1)「メイシーズ」ブランドの強化:①品揃えの見直し、②デジタル化によるショッピング環境の近代化、③店舗のスクラップ&ビルド

2)ラグジュアリー市場の成長加速:今後3年間で、ブルーミングデールズ約15店舗とブルーマーキュリーの新店舗を少なくとも30店舗、さらにブルーマーキュリーの改装店舗約30店舗が、新規および既存の立地にオープン予定

3)業務全般の簡素化・近代化:サプライチェーン、物流、在庫計画、技術プラットフォームを進化させ、オムニデマンドに対応したオペレーションで顧客に最善のサービスを提供する

 一連の改革により、25年以降の財務計画として①既存店売上高1桁台前半の成長、②販管費をインフレ率(2~3%想定)以下に抑制、③EBITDA成長率1桁台半ば、④設備投資が24年水準を下回る、⑤フリーキャッシュフローがコロナ前に回復する、などを達成するとしている。 

 新戦略と同時に発表された2023年第4四半期(10~12月期)決算では、店舗閉鎖計画に伴う減損などにより1株当たり0.26ドルの損失(赤字、希薄化後)を計上。売上高も前年同期比 1.7%の減収となっている。 

 23年度通期(1~12月期)でも、売上高は231億ドルで前期比5.5%減。実店舗売上高の同5%減も課題だが、デジタル売上が同7%減と苦戦しており、リストラ戦略の成否に注目が集まる。