ファンドによるメイシーズの買収提案が佳境を迎えつつある。メイシーズは3月3日アークハウス・マネジメントブリゲード・キャピタル・マネジメントによる1株当たり24ドルで発行済み株式のすべて(合計66億ドル)を取得するという“修正提案”を受けたことを明らかにした。

 両ファンドは昨年12月に1株当たり21ドルで買収を提案したが、メイシーズは両ファンドの資金調達能力への不安などを根拠に、1月21日に拒否を表明していた。

 買収額を引き上げた新たな提案についてメイシーズは、「取締役会の受託者責任に基づき、財務アドバイザーおよび法律アドバイザーと協議の上、最新の提案を慎重に検討・評価する」としている。

 2月2日には、長年トップを務めたジェフ・ジェネット氏に代わりトニー・スプリング氏がメイシーズCEO兼次期会長に就任。2月27日には、26年までに生産性の低い約150店舗を閉鎖する大規模なスクラップ&ビルド計画を発表したばかり。

 ロイターによれば、メイシーズが所有する不動産の価値は75億~116億ドルと推計される。買収提案額とはなお開きがあるが、近年の業績低迷やリストラ計画を加味して、経営陣も現実的な検討の俎上に乗ってきたと判断しているかもしれない。両ファンドの資金調達能力を見極めたうえで、提案が一歩前に進む可能性が出てきた。