作業着大手ワークマン(24年1月末時点で1007店舗)が苦戦している。同社は2月5日に24年3月期の業績を下方修正。営業総収入(売上高)は1349億円(5%増)、営業利益は234億円(3%減)と2期連続の減益になる見込みだ。顧客開拓を優先して主力のPB商品価格の大半を据え置いたが円安で採算が悪化。さらに暖冬で防寒着の販売が想定より落ち込んだことが主な原因としている。

 だがこれを額面通り受け取っていいものか。同社は作業着専門店を一般衣料やスポーツ衣料なども扱うワークマンプラスへ業態転換、大成功を収めた。「早朝は職人、日中は一般顧客ですみ分け、売上増を図る」戦略が当たったが、2年目以降の既存店は伸び悩む。同社は店舗平均12台しかない駐車場に一般顧客が群がることで従来の中核である職人が入りにくくなったことを不振理由に挙げるが、目論見が甘かったようだ。コロナ禍で急拡大したアウトドアウエア需要をなお読み違えている姿も浮かぶ。

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