ISO認証取得工場で加熱処理後、無菌充填

 Qvou(キューボー:神戸市)のシリカ水、「のむシリカ」を取り扱う小売店が急増している。

 ECでダントツの売り上げを誇っていた「のむシリカ」が一般小売店流通にも販路を広げたのは2022年秋。当初数社だった取り扱い小売業の数は1年ほどの間に30倍以上に増加。今や大手総合スーパーやコンビニなどのナショナルチェーンから高質スーパー、地方の食品スーパーまで、様々な業態に広がっている。さらに昨年後半には、大手ドラッグストアチェーンが600店舗への導入を決めるなど、業種の幅も拡大。展開エリアも、東京・大阪などの大都市に加え、北海道から沖縄まで全国各地に及んでいる。加えて導入企業での販売量も伸長。テスト導入した企業では、顧客の反応のよさから定番棚での採用を決めたところも多い。また、500mL入りに加え、2L入りも扱うところや、さらにケース売りをするところも増えている。

「のむシリカ」は、累計1億本以上売り上げた人気のシリカ水だ

 導入企業が増えている理由の一つは、シリカの含有量の多さだ。シリカとは、身体の組織同士をつなぐ役割を果たすミネラルの一つで、健康維持には、成人で1日当たり約40mgのシリカが必要と言われる。「のむシリカ」には、1L当たり97mgのシリカが含まれるため、500mLサイズを1日1本飲むだけで十分な量のシリカを摂取できる。そこに魅力を感じ、取り扱いを始める小売業が増えているのだ。

 もう一つ、安心安全な生産体制も「のむシリカ」の魅力だ。最近、競合する商品で食品衛生法の基準値を超える臭素酸が検出され、回収する問題が起きたが、「のむシリカではそうした問題が起きる可能性は極めて低い」とQvouの担当者は力を込める。というのも、「のむシリカ」は、ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証やJ-FOODSの認証を取得するなど最高レベルの安全基準をクリアした生産工場で、オートメーションで生産されているため、異物混入のリスクがほぼゼロだからだ。ボトルはUV殺菌と除菌されたクリーンエアで殺菌、天然水も130度で10秒間加熱殺菌後、無菌充填システムでボトリングしているので、菌が繁殖する心配がない。この点に対する小売業の評価も高く、臭素酸が検出されたシリカ水から「のむシリカ」に取扱商品を切り替えたいという要望も多数寄せられている。

「のむシリカ」は、ISO22000認証の取得など安全管理を徹底した工場で生産されている
販売が好調なことから定番棚で取り扱う小売業も増えている

小売店からスポーツ施設まで多様な販路で需要を開拓

 Qvouは、今年も引き続き「のむシリカ」の販路拡大に力を入れる。小売流通参入初年度で大きく導入企業を増やしたとはいえ、「まだ全都道府県の小売業を網羅しているわけではない」(Qvou担当者)ことから、今年もさらなる取引先の開拓に取り組む構え。食品卸の展示会に積極的に参加し、小売業のバイヤーに「のむシリカ」を直接訴求する計画で、まずは1月にヤマエ久野の展示会に初出展するほか、2月には、「スーパーマーケット・トレードショー2024」への出展も予定している。スーパーマーケット・トレードショーは、日本最大規模の業界の展示会で、日本中の小売業関係者が訪れることから、取引拡大への期待は大きい。

 加えて、広告宣伝活動も引き続き積極的に取り組む方針で、デジタルからリアルまで様々なメディアを通し、「のむシリカ」の認知を広げる意向だ。また、既存の取引先の販促支援にも力を入れる。ツールを活用して販促に取り組む小売業では売れ行きが特に好調なことから、Qvouでも、サイネージからモック、POPまで様々な販促ツールを用意、小売業のニーズに応じて提供していく。このほかサウナの情報番組のスポンサーをしていることもあり、温浴施設やスポーツジム、ゴルフ場などからの引き合いも増えている。温浴施設やスポーツ施設などの〝汗をかく場〟は、「のむシリカ」との相性もよいことから、こうした施設との取引がある商社を通じて販路開拓にも注力する構え。

 一昨年小売流通に新規参入し一気に販路を広げた「のむシリカ」。今年もスーパー、ドラッグストアからスポーツジムまで販路を拡大しながら、リアル店舗市場でも、シリカ水売り上げナンバーワンを目指す。