青森県の八戸市保健所は、10月16日、9月中旬に市内の弁当メーカー吉田屋が製造した駅弁により発生した食中毒について、推定される原因を発表した。

 弁当の製造設備内で推定される原因として挙げられたのは、以下の4点だ。

・委託製造した米飯について、検収手順及び受入れ基準を定めていなかったことから、注文時の指示書より高い温度の米飯を受け入れ、米飯冷却までに原因菌が増殖した。

・委託製造した米飯が配送された外箱(発砲スチロール製)について、殺菌などの措置をせずに、盛り付け室に搬入したことから、米飯、具材などに原因菌が付着した。

・自社炊飯分の米飯冷却に加え、予定にない、委託製造した米飯の移し替えや冷却が同時に行われたが、その製造記録が残されておらず、手指の消毒、手袋交換などのタイミングや方法が適切に行われず、原因菌が付着した。

・臨時従業員に対して衛生教育や体調・手指の傷等健康状態の確認を行ったが、これらの記録が残されておらず、通常当該施設で実施されている衛生的な取り扱いや健康管理が徹底されず、原因菌が付着した。

 また、回収について、当該営業者からの連絡が一部の販売店まで届かず、9月16日製造分の一部が販売され、食中毒患者が確認された。回収に関する連絡が確実に販売店まで届くよう予め定めていなかったことも原因の可能性として指摘した。