――景気の現状をどう見ていますか。
岩崎 昨年も引き続き原材料やエネルギー価格が高止まりし、円安も相まって多くのものを輸入に頼る我が国の経済は大きな影響を受けました。そうした中にあっても、新型コロナウイルス感染症は5類に移行し、行動制限もすべて解除されたことで、国内の社会経済活動が正常化に向かい、個人消費も徐々に明るさを取り戻しつつあります。
小売業を見てみますと、行動制限が解除されインバウンドが増えたというところではコンビニさんに非常に恩恵があるでしょうし、国内経済活動の正常化、株高により相当資産効果があることで、百貨店の売り上げも良くなっています。ドラッグストアも引き続き好調ですし、我々スーパーマーケットも、流通3団体の販売統計調査の結果を見ると、売り上げは順調に推移しています。ただ、度重なる食品の値上げ、電気料金や物流コストの上昇、人手不足と人件費の高騰などに直面しており、経営のかじ取りは難しくなっています。やはり、実質賃金が伸びて可処分所得が増加するという善循環が大切だと思います。