前編に引き続き、特別企画の社長インタビュー。後編ではネットスーパーの拡大戦略や関西エリアの競争環境、ダイバーシティ経営に対する考え方を聞いた。
ダークストアからの配送を試験展開
――ライフはネットスーパーの整備にも積極的です。アマゾンとの協業、自前のサービスの両軸で展開していますが、直近の利用状況は。
岩崎 足元では8月の第5波のピークよりは2割くらい落ちていますが、それでも前年から比べると170%程度でまだ伸びています。ライフとしてはネットをお客様とシームレスにつながる手段と考えています。お客様が買い物したいと思われた時、リアル店舗でも、オンラインでも、お客様がより便利な方で買い物ができる。同じお客様にその時々で使い分けてもらうことを目指していますし、実際の傾向を見るとそのようになってきています。またアマゾンさんと両軸でやることで、ライフ未経験の方にライフを知ってもらえるきっかけにもなっている。アマゾンさん経由でライフの商品を気に入っていただいて、リアルのお店にも足を運んでいただけるような、良いサイクルも回ってきています。
――21年度の売り上げ目標は100億円。これを22年度には200億円、30年をめどに1000億円と掲げています。今後の成長戦略をどのように描いていますか。
岩崎 自社のネットスーパーに関して言えば、対象店舗を広げることと、一店舗当たりのキャパを引き上げていくことです。アマゾンの方も対象エリアを順次拡大しています。これによって、我々のリアルのお店があるエリアは全てネットでも買い物ができる、そういう環境を整えていきたいと思っています。一店舗当たりのキャパを上げる具体的な方策は大きく三つ。一つ目はシステムの刷新。二つ目は物流の増強。これについては間口ホールディングスさんと一緒に物流会社を立ち上げましたが、自前化を進めることで配送能力を高めたい。三つ目が店舗のオペレーションの見直しです。人員増強も含め、現場の体制を整えていくことで一店舗当たりの対応力を引き上げていきます。