今期で3カ年の中期経営計画が終わり、来期から新たな中計がスタートするヤオコー。次の3年間の展望と課題をどのように考えているか。川野澄人社長が語った。
省人化が現場の作業に追いついていない
2023年11月までの状況は、売り上げ、利益ともに当初の想定を上回る状況。予想外に良い、一品単価の上昇が業績を引っ張った1年だった。
今期で第10次中期経営計画が終了する。テーマに「2割強い店づくりの実現」を掲げた。結果として2割までは伸びていないものの、当初の想定よりも1店舗あたりの既存店の伸びが高かった。この3年間で営業力は付いてきたと感じている。
その中で進んだことは一つにヤングファミリー層の獲得。特に今期は商品の値上げが進む中、ハイ&ローも組み合わせながらの価格対応がお客様に浸透し、一定程度ご評価をいただけた。SPA(自社製造商品)についても、プリンや杏仁豆腐、プルコギなどの味付け済みの商品もスタートした。デリカ・生鮮センターの出荷高も着実に伸びている。
生産性の部分ではAIの自動発注を導入した。スライド棚などのハード面での投資も行っている。セミセルフレジに加えてフルセルフレジの導入も始め、レジの生産性に大きく寄与している。
ただ一番の課題は働きやすさ。売り上げが大きく伸びる中、省人化の投資努力はしてきたものの、まだ追いついていない。働く従業員が忙しい状態が続いている。もっとメリハリのある働き方、休みの日数を増やせるようなオペレーションを組んでいかなければならない。とくに女性が力を発揮したいという状態になっていかないといけない。