「カリーズ」は英国大手の家電量販チェーンだ。1884年に自転車メーカーとして創業、40年代には蓄音機やラジオなどの普及に伴い、現在のような総合家電販売店へと発展した。英国とアイルランドにまたがる300余りの店舗の多くは郊外型商業施設内にあり、家電から通信機器やコンピューターまでディスカウント価格で販売し、人気を集めている。そしてカリーズの魅力はいまや「安売り」を越えた分野にも広がっている。
10年ほど前にライバル企業2社を買収して事業を再編成した際、それまでは顧客への「サービス業務」の一部と位置付けられていた修理部門を「サーキュラー経済に貢献でき、かつ収益を上げられる事業」に転じる戦略を打ち立てた。リペア（修理）、リファービッシュ（中古再生）、リサイクル（部品等の再利用）という独自の「3R」を掲げ、直せるなら修理して戻し、不要なら引き取って再生し、廃品からはまだ使える基盤や部品を取り出し、自社で再生品に使うか他に売却する。残りは粉砕して原材料に戻す。
