宅配はラストワンマイルの生産性向上を図る

 コロナの5類移行から日常生活がコロナ前へと落ち着きを取り戻す中、生協が立て直しを急ぐのは、約7割の供給高を誇る宅配事業だ。2023年7月4日に発表された全国生協の概況(22年度推計)によれば、店舗供給高は9175億円(前年比99.3%)、宅配は2兆945億円(同99.1%)といずれも減収だった。コロナ感染症拡大前の19年比では増収だが、人流回復と歩調を合わせる売り上げ減少は否めない。生協事業の利益頭でもある宅配の経常剰余率は4.1%と前年比0.5%減も気になる。

 日本生活協同組合連合会の藤井喜継代表理事専務は、「コロナの時に組合員になって宅配を利用してくれた人、通常以上に宅配利用が多くなった人は、コロナが収束に向かうとお店での買い物に戻っていった。そういう意味ではコロナ5類移行は、宅配にとってすごいアゲインスト」と認める。だが、経常剰余率の減少はコロナ前に見られた傾向。それに危機感を抱き、日本生協連で改革推進の旗を振ったのが「宅配リノベーション」。リノベーションは、施設、家屋の中身の間取り、内装を新たにすること。つまり機能を刷新し、新しい価値を生み出す改修を宅配事業に施そうというのだ。

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