富士薬品は12月18日、同社の元取締役が、会社資金を不正に流出させていたとして、損害賠償請求訴訟を提起したと発表した。11月30日に、さいたま地方裁判所に提起した。訴訟金額は、約9500万円(及び遅延損害金)。

 元取締役は、同氏が2014年まで代表取締役を務めていたA社及びA社代表取締役B氏の関与のもと、富士薬品とA社との間で不適切な取引を結ばせ、19年1月から22年6月までの約3年半に及んで、富士薬品からA社に不当に高額な金銭支出を行っていたことが判明した。

 富士薬品は、この不正行為に関して、元取締役に善管注意義務違反などの責任があると判断し、同氏と、A社及びA社代表取締役B氏に対して損害賠償請求訴訟を提起した。

 富士薬品は「このような不正行為の発生を重く受け止め、コンプライアンス教育の徹底ならびに内部けん制機能の強化を行い、再発防止と信頼回復に努めてまいります」とコメントしている。