富士薬品は、同社が運営する「セイムス」などのドラッグストアで4月4日より、「ヘルスケア会員制度」を本格的に開始した。2021年5月から一部店舗でパイロット運用を開始したこの制度は、OTC医薬品や健康食品をはじめ、ヘルスケア分野で高い知識・カウンセリング力を持つヘルスケアカウンセラー(HCC)が、健康や商品に関する悩みをはじめ、介護や育児など様々な相談に応じるというもので、入会料、相談料は無料。

 同社のドラッグストアグループでは、ヘルスケア、ビューティーケア、栄養管理の各分野で専門的な知識を持つ専門家(カウンセラー)の育成に力を入れており、合計で約1000人の専門家が在籍している。だが、「忙しいかもしれないから声をかけにくい」「相談していいのか分からない」などの理由で、相談を遠慮するお客も多いという。そこで、21年4月から開始したビューティーケアカウンセラー(BCC)による美容相談「ビューティーケア会員制度」に続き、ヘルスケア会員制度を立ち上げたという。

 ヘルスケア会員制度では、カウンセリング内容をデータベース化し、継続的なサポートを行う。ポイントカード会員の「セイムス会員データ」と連携すれば、OTC医薬品の購入履歴を確認しながらより深いカウンセリングを受けることも可能だ。

 HCCが在籍する国内約500店舗のうち143店舗で開始。5月中には約150店舗へと拡大し、年内には約180店舗が対応する見込み。今後、ドラッグストアのほか、配置薬やECサイトなど、同社が持つチャネルの会員データベースを一元化し、購買履歴やカウンセリング内容を連携させたデジタル活用を推進。デジタルとコミュニケーション力を合わせて活用することで、食事や運動による健康増進や未病予防関連商品の提案などにより、健康寿命の延伸と未病予防への貢献を目指す。