香港ファンドのオアシス・マネジメントは7月31日、クスリのアオキホールディングス(HD)に対する株主提案の詳細を明らかにした。
オアシスは8月17日開催予定のクスリのアオキHD株主総会に対し、株主提案を行っている。具体的には新たな社外取締役としてM&Aの知見を持つ池井良彰氏を選任すること、指名報酬委員会を設置することなどだ。
その背景として、オアシスはアオキの取締役会が2020年1月に決議した新株予約権(有償ストック・オプション)の発行について、予約権が行使された場合、株式の11.1%が希薄化する内容を株主総会の決議を経ずに取締役会のみで決めたこと、また発行額が当時の1株あたりの公正価値2073円を大幅に下回る15円で発行されているが、その価格の根拠となる業績条件が「非常に達成が容易なもの」として問題視。新株予約権を引き受けた青木宏憲社長、青木孝憲副社長に対し、公正価値を全額支払うかストック・オプションを解消すること、指名報酬委員会を設置すること、適切な行動が取られない場合は法的措置も検討するとした。
またオアシスは創業者で宏憲社長の父親に当たる青木桂生・前会長の会社資産不適切流用の可能性や、アオキが新社外取締役として選任するタイオンホールディングスの藤井大温氏について、「多くの会社が債務超過状態で安定的な黒字の創出にも失敗」しているとして、経営手腕に関する懸念を表明している。