私どもは、大正2年創業の東京・日本橋の佃煮屋です。私の祖父が遠州(静岡県)から上京して惣菜屋のような店を開いたのが始まりで、私で3代目になります。13年前からは本社ビルの1階で、自然食品専門店「遠忠商店」を運営しています。
私が子どもの頃は、浦安などから貝や野菜を売りに来る人が結構いて、そうした人たちは、自分たちの商品を売ったら帰りに我々の佃煮などを買い、それを地元に戻って売るということをしていたようです。父親に聞くと、うちでも、練馬の方まで佃煮を売りに行き、帰りに練馬で大根を買って漬物にするなどしていたそうです。