イオン東北とイオンスーパーセンターは9月4日、経営統合に向けた協議を開始したと発表した。今後東北での両社の経営体制を統合し、迅速な意思決定と地域により根差した対応ができる体制に移行する。統合となれば、売上高は2500億円規模となる見込み。
足元では人流や経済活動が活発化し、生活必需品、余暇サービスへの消費支出増加が期待される一方、物価上昇による生活防衛意識の高まり、エネルギー高騰による店舗運営費の増加など、企業経営を取り巻く環境は厳しさを増している。これに鑑み、商品、人材など、両社がこれまで築き上げてきた経営資源やノウハウを融合させシナジー創出を図る狙い。便利で豊かな暮らしを提供し、東北エリアでのさらなる支持拡大、地方貢献を目指す。
イオン東北は東北6県にGMS、SMを157店展開。2021年9月にイオンリテール東北事業本部と経営統合。業績は非公表だが、売上高はおよそ2000億円規模と見られる。
イオンスーパーセンターは衣食住をワンフロアで扱うSC「イオンスーパーセンター」を山形を除く東北エリアに22店展開している。22年度の売り上げは518億円、営業利益以下は赤字と経営状況は厳しかった。
両社は業種を越えてひと固まりとなるが、すると今後焦点となるのはマックスバリュ南東北の所在だ。同社は宮城と福島にDS「ザ・ビッグ」「同エクスプレス」を28店展開。イオンのDS運営会社と言えば、イオンビッグが関東、中部・東海、近畿のザ・ビッグを束ねる。東北においてもDSは切り出され、専門会社に集約されるのか。あるいはエリア性を鑑み、入り繰りが行われるのか。いずれにせよ、イオンのグループ企業の再編・集約は今後も着々と進みそうだ。
(冒頭画像はイオンスーパーセンター南相馬店)