イオン東北は11月27日、秋田県能代市に食品スーパー「イオンスタイル能代東」をオープンする。9月のイオンリテール東北カンパニーとの経営統合後、初の新店となる。
同店は同日開業する「イオンタウン能代」の核店舗で、専門店機能としてドラッグストアのグラムビューティークを隣接させた。少し離れて子ども用品店のキッズリパブリックも出店する。この他、テナントではヤマダデンキ、イオングループのホームセンターサンデー、未来屋書店、ダイソー、ハニーズ、ABCマートなどが出店する。基本商圏は車で40分圏内の世帯数約4万3000人、人口約9万9000人。年間で235万人(平日4700人、土日祝日2万1000人)の来場を見込んでいる。
食品は産地直送の生鮮が売りだ。能代市や三種町など近郊の生産者から直送されるネギやりんごなどの旬の青果を「顔が見える」形で販売する。魚は秋田県山本郡にある八森漁港と岩舘漁港から直送される「地獲れ鮮魚」を展開。定期的に、地元漁師の接客販売も行い、漁師ならではの食べ方を提案する。肉は「秋田由利牛」を品揃えし、県北地域の食文化である「豚軟骨」を生肉だけでなく冷凍や加工品も揃える。「比内地鶏」や「桃豚」など秋田県産の肉も各種扱う。
惣菜も地元食材である「白神ねぎ」、「白神にんにく」、「比内地鶏」などを使用した、和洋様々な商品を24種類開発。白神にんにくを使用した塩にんにく唐揚げ、白神ねぎを乗せた唐揚げなど、様々な味付けの唐揚げを取り揃えた唐揚げコーナーを展開する。また、能代名物の豚軟骨や馬肉が味わえる煮込み、比内地鶏や秋田県産紅ずわい蟹の巻き寿司、県産米を使用した「みそきりたんぽ」など、秋田県ならではの商品を取り揃える。インストアベーカリーでは、白神山水を使用した生食パンや秋田県五城目町で栽培されたラズベリーを使用したデザートピザ、白神にんにくを使用したマリナーラピザなど、店内で焼き上げた手伸ばしピザを展開する。
そのほか、グラムビューティークでは調剤を併設。キッズリパブリックではベビー用品、子ども服、ホビーを扱う。デジタル施策では、お客自身が商品バーコードをスキャする「レジゴー」、ネットスーパーの展開、衣料や住居用品などを扱う「イオンスタイルオンライン」での購入商品の店舗受け取り、デジタルサイネージで商品の情報発信などを行う。
イオン東北の辻雅信社長は、経営統合により、ショッピングセンター(SC)内へ食品のみならず、専門店でも出店していけるようになると指摘。「今後東北での出店は今回のようなSCのタイプが増えていく。そこに専門店でも入っていくことを考えたい。今回、能代でキッズリパブリックを出したのは子育て支援のため。高齢化の中で、子育てを通じて地域の活性化に貢献したいと考えた。今後もトライ&エラーを繰り返しながら、いろんな専門分野に出ていきたい」と抱負を述べた。