エキスパートを集め専門部隊を編成

 例えば、スーパー(SM)の売り場でカップ麺の販売数を予測するとする。毎日一定程度売れる定番のNBならこれは簡単だ。しかし売れ筋から外れ、販売動向がやや不規則な商品になると、途端に難易度は跳ね上がる。こうした商品の予測は外部のベンダーに特別に発注したモデルですら難しく、実績と大きく乖離を起こす――それが今までの常識だった。

 イオンのデータイノベーションセンター(DIC)はこうした常識をデータ解析により打破した。店舗に並ぶ数万件のSKU1品1品の購買データを分析し、AIモデルを内製化。これを用いて販売数を予測させたところ、外注モデルよりも格段に実績に近い、高精度な予測を導き出したのだ。「イオングループには約300の事業会社があり、それぞれが持つ顧客接点から膨大なデータが集まってくる。私たちの目的はこれらをつなぎ合わせ、グループの提供価値を高めること」。DIC設立の意義について、センター長である中山雄大チーフデータオフィサー(CDO、冒頭写真)はこのように説明する。

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