労働生産性の改善や多重下請構造など、2024年問題は、長年物流業界が抱えてきた課題を改めて浮き彫りにした。問題の抜本的な解決策はあるのか。「持続可能な物流の実現に向けた検討会」の座長を務める根本敏則教授に話を聞いた。
多重下請構造を変えることが重要
――トラックドライバーの働き方に関わる2024年問題への危機意識をどう見ておられますか。
根本 物流事業者は早くから「これは大変だ」と気が付いていたんですけど、荷主ではよくわからなかった方も多かったように思います。「改善基準告示（自動車運転者の労働時間等の改善のための基準）とは何だ」というような感じでした。しかし、マスコミで取り上げられるようになって、最近は荷主の方も「何か対策を考えなきゃいけない」と、勉強を始めるようになって、状況が変わってきました。
