青果物を中心としたネット販売大手、オイシックス・ラ・大地による給食大手シダックスへのTOB(株式公式買い付け)が、迷走を極めている。TOB開始(8月30日)後の9月5日、シダックスの取締役会が反対を表明。ほぼ同時に、外食大手のコロワイドによる給食事業への買収提案が明らかになったことで、シダックスをめぐるオイシックスとコロワイドの激しい争いになるとも見られた。だがそのコロワイドが買収提案を撤回するという異例の展開だ。

 なぜ混迷を深めてしまったのか。富士フイルム現像工場の食堂請負が祖業のシダックスは、カラオケ事業の失敗から2019年に債務超過に陥り、独立系投資ファンドのユニゾン・キャピタルに65億円の出資支援を仰いだ。依頼主は志太勤一会長兼社長や父で創業者の志太勤取締役最高顧問の創業家で、合計で実質33%超、ユニゾンは約27%を握る大株主だ。創業家は当初から「自ら」か「創業家指定の相手」が株式を買い取る株主間契約をユニゾンと締結。額は今年6月までなら80億円、7月以降は100億円だった。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから