「白髪と心に寄り添う」ブランドにグレイヘアをケアする新領域を開拓

 「ビゲン」がヘアカラーに新たな領域を打ち出した。9月5日に発売したグレイヘア向け新商品「ビゲン グレイスタイル ツートーンカバースプレー」と「同 グレイケアトリートメント」の2品だ。ツートーンカバースプレーは、グレイヘア移行中の染めた部分と白髪部分の差をぼかせる。一方グレイケアトリートメントは、ほんのり淡い色づきで自然できれいなグレイヘアに見せるほか、ハリやコシ、ツヤと、うるおいの3成分を配合。女性の髪悩みにも対応している。

   グレイスタイルの発売背景には、60代以降、白髪染めを卒業する人が増えるという傾向がある。また、白髪を生かしてカラーを楽しんだり、グレイヘアを選んだりなど、ヘアカラーの価値観の多様化もある。グレイヘアは2018年に流行語大賞にノミネートされるなど認知度も高まっている。

 一方で、白髪染めの使用を止めた後、グレイヘアになるまで最短で1年以上かかる。グレイヘアになっても空気による酸化や紫外線により黄ばんで見えたりなどで手入れが必要だ。その半面、グレイヘアへの移行期をサポートする商品やグレイヘアを手入れする商品は少ない。コンシューマー事業本部商品企画室商品企画1課の筧若菜氏は「ビゲンブランドできれいなグレイヘアを目指す人たちをサポートしていきたい」と語る。

 ホーユーは新領域の開拓に向けて、グレイスタイルのプロモーションを積極的に展開していく。テレビCMのイメージキャラクターには、美容情報誌の「白髪・グレイヘアがすてきだと思う有名人ランキング」で一位と三位にランクインしたフリーアナウンサーの近藤サトと女優の中尾ミエを起用。テレビCMを地上波、BS放送で放映するほか、ユーチューブでも動画を配信。店頭では両氏の顔写真を掲示した什器を活用し、商品内容を詳しく解説したブックレットも配布する。グレイスタイルが白髪染めではなく〝グレイヘアをケアする〟商品であることを訴求していく計画だ。

 筧氏は、「65年の歴史を持つビゲンを、白髪染めをお使いの方にもグレイヘアを選ぶ方にも両方に寄り添えるブランドにしたい」と力を込める。グレイヘア専用商品の投入でグレイケア市場を創出し、カラーリング市場の活性化を図る構えだ。

コンシューマー事業本部商品企画1課の筧若菜氏