400社を超える規模感と、その成果が高く評価される

 コープさっぽろの物流を担う北海道ロジサービスと、流通業界の物流伝票デジタル化を推進するTSUNAGUTEの両社は、「2022年度日本ロジスティクス大賞」において最高賞「ロジスティクス大賞」を8月に受賞した。同賞は日本ロジスティクスシステム協会主催で年1回開催し、物流業界の働き方改革につながる新たな取り組みとして注目を集めている。これまで納品書に代表される物流現場の伝票処理は紙の運用が一般的で、事務作業員は納品終了後に付帯作業として毎日長時間費やしてきた。

 そこで今回、コープさっぽろに納品している食品・飲料・菓子メーカー約400社、卸8社、輸送事業者約20社で電子納品伝票の統一化を果たした。これまで各社でバラバラの仕様だった紙の納品書を使い、物流情報も寸断されていたことから、両社で物流情報連携の必要性と意義、達成手段などを一社一社丁寧に説明してきた。共通のクラウド型システム「テレサデリバリー」を活用し、製配販・輸送の関係者のデータを連携。電子受領・納品伝票の統一化と、物流情報データの可視化を実現できたのだ。
 
 今までにない400社を超える参加企業の規模感と、その成果は、今後の物流業界の働き方改革につながる解決策として同協会から高く評価された形だ。大賞を受賞した北海道ロジサービスの高橋徹専務取締役は「サプライチェーン全体の最適化に貢献でき嬉しく思う、引き続き、先進的な改革・改善に取り組みます」と力を込めた。また、TSUNAGUTEの春木屋悠人社長は「コープさっぽろ、北海道ロジサービスさん、関係者の協力のもと大きなDXを構築できました。同取り組みをキーにさらに北海道全体、道内の他の業態にも展開を拡げます」と意気込みを語った。

 「2022年度日本ロジスティクス大賞」の最高賞を受賞した納品伝票の電子化。データ連携前(上)と連携後(下)
共通のクラウド型システム「テレサデリバリー」を活用し、製配販・輸送の関係者のデータを連携