園芸初心者に成功体験させる商品群を投入

 フマキラーは、コロナ禍の巣ごもり需要をきっかけに拡大した園芸用品市場のさらなる活性化に乗り出した。2022年度の園芸薬品市場は前年比101%の515億円規模になると想定され、園芸人口も3388万人となる見込みで3400万人に迫っている。コロナ禍で新たに始めた人が継続しているうえ、今後団塊ジュニア世代の参入も見込まれることから、市場拡大の余地は大きい。

 だが、園芸を始めても、思うように育てられなかったり、枯れさせてしまったりするなど栽培に失敗し、園芸から離れてしまう人たちも依然として園芸初心者に成功体験させる商品群を投入多い。こうした状況について、10月12日に開催された園芸用品政策共有会で挨拶に立った大下一明社長は、「ナチュラル&セーフティーを開発コンセプトにした新製品では、殺虫成分と肥料を配合し、嫌なニオイがせず、初心者でも失敗しにくい育成環境を実現するカダンパワーガード粒剤などを発売。園芸初心者の方々に成功体験を味わっていただくことが大事です。園芸離脱者を防ぎ、園芸人口を増やしていくことで、園芸市場拡大に全力を尽くします」と力強く語っている。

 その戦略に沿ってフマキラーは「庭活」を重点政策に掲げた。一つ目が既存カテゴリー活性化による「市場創造」。二つ目が取り組み会議、工場見学、勉強会、フィールド活用による「取引先との協働強化」。三つ目がテレビCM、ラジオ、SNSへの広告投下とオウンドメディアを活用した「広告宣伝活動強化」の施策を推進していく。

「市場創造」の具体例の一つが2023年1月に発売する殺虫と施肥が一度にできる「カダンパワーガード粒剤」(250g、500g、冒頭写真)だ。カダンパワーガード粒剤は、土に撒いたり混ぜたりすることで害虫の予防・駆除が一度にできるもの。根から吸収された殺虫成分が作物のすみずみまで行き渡り、葉や茎などに付く害虫や土に潜む害虫から作物全体を守る。使用後も殺虫効果が持続し、1.5カ月間アブラムシを予防。同時にバランスの良い肥料成分も配合されており、植え付け直後の苗の生育をサポートする。また、競合の製品で使われている有機リン系殺虫剤は独特なニオイが不満点の上位に挙げられる。その点、カダンパワーガード粒剤は有効成分アセタミプリドを使用し、嫌なニオイがせず、室内やベランダなどでも気兼ねなく使える。アセタミプリドは、ミツバチに対する毒性が低く、ネオニコチノイド系殺虫剤の中でEU(ヨーロッパ連合)で唯一登録が更新された成分。カダンパワーガード粒剤は安心して使えることも大きな強みになっている。加藤孝彦代表取締役専務国内営業本部長は、「殺虫剤と肥料撒布が同時にできるカダンパワーガード粒剤は、簡便性と時短を求める初心者や若年層の使用率アップや新規ユーザー獲得につながる」と利点を強調する。

13年連続シェア№1の「カダンセーフ」

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