ベープマットをリニューアル香りが楽しめる付加価値を提案

 フマキラーは2023年、世界初の電気式蚊取り「ベープ」の発売から60周年を迎える。1月17日に開催された政策共有会に登壇した大下一明社長は、この先もフロンティア精神で挑戦を重ね、全力で新たな時代を切り開くべく、23年のテーマを「MAX」と据えた。今年の春夏商戦に向け、殺虫剤では17SKUを新規投入。フマキラーにしかできない新価値提案でさらなる市場活性化に挑む構えだ。

 60年前といえば、大卒の初任給がおよそ2万円の時代。そんな中、350円で発売されたベープベープマットをリニューアル香りが楽しめる付加価値を提案は「売れるはずがない」という大方の予想を裏切り、爆発的なヒットを記録した。その後もフマキラーは、2000年に火も電気も使わない世界初の電池式蚊取り「どこでもベープ」を発売。さらに08年には、火も電気も電池も使わない世界初のワンプッシュ式蚊取り「おすだけベープ」を発売するなど、常に殺虫剤の新たな扉を開け、市場をリードし続けてきた。

 足元の殺虫剤市場は、気候変動の影響をもろに受けている。昨年は需要が高まる5、6月に気温が上がらず、梅雨明け後一転して酷暑となったことなどが影響し、業界全体の売り上げは前年比96%と伸び悩んだ。渡航制限でインバウンド事業が低迷を続けていることもマイナスの要因となった。

 一方でフマキラーは、こうした環境下でも効き目と使いやすさで高い支持を継続して得ている。昨年も人体用虫よけ剤「スキンベープミスト」が8年連続で単品売り上げNo.1となったのを含め、5品目でカテゴリー売り上げ№1を獲得した。大下社長は、「今年も引き続き効き目、使い心地、安心安全、そしてライフスタイルに合わせたプラスアルファの提案をこだわり抜く」と大方針を堅持。「フマキラーならではの新しい技術と価値で、既存ユーザーはもちろん、新規層の開拓、新市場創造にも結びつけていく」と意気込みを語る。

1月17日に開催された政策共有会に登壇した大下一明社長

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