ミャンマーの学校は6月が入学シーズンだ。今年は2年ぶりに、文具やリュックなどの新入生向け学用品の特設コーナーを設けたスーパーが多かった。どこの国にも消費に結びつく年間行事があり、それを如実に反映するのがスーパーの特設コーナーだ。逆に特設コーナーに並ぶ商品を見れば、その時の社会情勢がわかる。

 ミャンマーの元日は4月7日だ。基本的にその5日前から街をあげての「水かけ祭り」が始まり、その間、コンビニとローカル市場を除いた多くの小売店は閉店する。現在、都市部では生鮮食料品は市場で、その他食品と日用品はスーパーでと買い分ける家庭が多いため、スーパーにとって4月初旬は、正月用品の買い出しでかき入れ時となる。昨年に勃発したクーデターは正月商戦にも影を落とし、例年なら特設コーナーにあふれる水かけ祭り用の水鉄砲や防水グッズは姿を消していた。軍の支配を市民が受け入れたと内外に示したかった政府はいつも通りに祭りをやりたがったが、市民がボイコットしたためだ。スーパーもお祭りムードを店内から払拭。例年なら山積みになる正月用パッケージの菓子や飲料水も姿を消した。この光景は今年も続いた。政府は盛大な祭り用ステージを市街中心部に建てたが、用意したサクラ以外の参加者はおらず、人々の抵抗の意思を強く感じる結果となった。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから