エコで持続可能な生活が、気候危機やエネルギー革命の観点からも注目される中、食品ロスが世界的な問題になっている。欧州連合(EU)は2015年に「循環経済パッケージ」を発表し、あらゆる資源の無駄をなくし、循環経済化することを掲げた。国際連合も呼応するように15年からの新たな開発目標として「持続可能な開発目標(SDGs)」を発表。これを受けEUは、SDGsの廃棄物削減を実現するためのEU法「廃棄物枠組み指令」を18年に改正。食品廃棄物については、25年までに30%減、30年までに半減する目標を掲げた。加盟各国は目標達成の具体的な取り組みが求められているが、ドイツではまだ法制化されてはいない。ただ、食品廃棄に対する社会の意識が高いこともあり、個人や事業者による自主的な取り組みが加速している。

 世界では毎年40億トンの食料が生産され、その約3分の1の13億トンが廃棄されていると言われる。人口8300万人のドイツでも毎年約1200万トンの食料が廃棄されている。1人当たりに換算すると150キロ程度で、日本の133.6キロとほぼ同レベルだ(日本の農林水産省のサイト参照、農業生産段階での廃棄物を除く)。人口1人当たりでは英国、フランス、オランダなどはさらに多い。ドイツ国営放送ZDFによると、ドイツの食品ロスの内訳は一般家庭が52%、レストランや社員食堂などが14%、卸売業や小売店など食品流通業が4%だという。

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