あらたが5月12日に発表した2022年3月期の決算は、売上高が前期比103.2%の8570億円、営業利益が同111.3%の127億円、経常利益が同113.5%の137億円、当期純利益が同109.7%の90億円と、増収増益で着地した。売上高は7期連続、経常利益は3期連続で過去最高となった。

 売上高拡大の主な要因は、営業活動の積み上げによるインストアシェアの拡大とペットカテゴリーの伸長だ。「グループ会社のペット専用卸、ジャペルの専門的な提案力に加え、犬猫の新規飼育頭数の増加や在宅時間の増加でペット用おやつなどが伸長したことが売り上げ拡大につながった」(須崎裕明社長)。

 また、ヘルス&ビューティーも、マスクやハンドソープなどの衛生関連品は前年特需の反動減となったが、ヘアケアや化粧品が好調に推移し、売り上げが拡大した。

 業態別では、売り上げの5割を占めるドラッグストアが同103.7%と拡大したほか、ECやバラエティー業態の伸びを受け、その他のカテゴリーが同113.8%と大きく伸長。一方、ホームセンターは、前年のコロナ特需の反動で減少した。

 利益面では、季節要因などにより、売上総利益率は微減となったが、業務改善による人員減、物流効率化などで販管費を抑えた結果、営業利益率は0.1ポイント改善した。

 23年3月期の業績は、売上高8700億円(同101.5%)、営業利益133億円(同104.7%)、経常利益140億円(同102.1%)の増収増益を見込む。

 今期もヘルス&ビューティーとペットカテゴリーに注力する方針で、専売・優先流通品やアジアンコスメなど、新しい商品やブランドを積極的に取り扱い、独自性のあるラインアップで差別化を図る。ペットは、子会社であるジャペルのフルラインアップの強みを生かし、商品開発やEC事業など、独自の取り組みを強化する。

 収益性の面では、引き続き物流効率化を中心とした生産性向上に取り組む方針で、新たにAIを活用した実証実験も開始した。AIによる物量・作業量予測を物流管理者が補正することで、高精度で迅速なシフト管理を実現。「現場が活用し、効果を実感できるような肌で感じるDXにより、強い企業体質を構築していく」(須崎社長)方針だ。

(トップ画面は、オンライン動画で決算説明を行った須崎裕明社長)