デリバリーサービスの出前館とセイノーホールディングス(HD)子会社のLOCCOは4月21日、置き配の協業を開始したと発表した。出前館とセイノーHDが昨年12月に締結した業務提携の第1弾の取り組みとして、LOCCOが提供する置き配サービス「OCCO」で出前館の配達員が配達する。

 出前館は昨年からランチ・ディナー以外の間食・夜食需要の取り込みや、日用品をはじめとしたリテール領域の強化を図ってきた。この取り組みでは、配達員が出前館の配達のスキマ時間を活用してLOCCOの置き配サービスの配達を行うことで、時間帯による繁閑差の平準化を目指す。配達員のより安定した収入確保につなげる狙い。

 また、LOCCOでは、自動車運転業務に対しても時間外労働の上限規制が適用されることで配達員不足や配送遅延といった深刻な物流課題が想定される「2024年問題」を抱えている。置き配の特徴である日時指定のない配送を出前館の配達員が行うことで、将来の配達員不足の解消を図るとともに、利用者に対して安定的な物流サービスの提供が可能になるという。

 まずは、出前館のアルバイトを対象に、テスト運用として兵庫県の一部エリアで開始。今後は、業務委託配達員の稼働やエリア拡大も図る。