東京システム運輸グループの東京ロジファクトリーが首都圏物流網の構築を図っている。同社は東京、神奈川、埼玉に絞って57の物流拠点を設け、ドミナントを形成。総面積約15万坪に及ぶ。圏央道、国道16号沿線に集中して展開エリアを拡大してきた。

 同社は新物流拠点として小売りと卸、メーカーのセンターが一体となった3階建ての「越谷物流センター」(埼玉県越谷市)を今年6月に開設した。流通団地内にある約3000坪の広大な物流拠点で国道や高速道路に近い立地でアクセスが良く、都心店舗を中心に配送量を増やしている。執行役員管理本部長の片山勝氏は、「足元では緊急事態宣言後に物量が集中した大手ドラッグストアにも対応。立地特性を生かし、都心店舗への配送を1日1回転から2回転への効率化を図ることができました。まだ施設に空きがあるのでご活用ください」と新たな荷主を募集している。

 食品や日用品、化粧品の卸売業との物流領域も広がる。今秋からは日用品大手との取引を開始し、首都圏の物流を担う。同卸の要望に沿って車両の積載効率向上やトラック待機時間削減のほか、メーカーとのセンター間のルートを見直して車両の移動距離の削減に努める。その結果、配送コストとCO2削減に貢献してホワイト物流を推進する。

 首都圏のスーパーには使いやすいセンター運営を提案している。今年取引を開始した某中堅スーパーの物流拠点では、4tトラックの車高の安全基準に合わせ、バースの地面を20cm削りゲートを低くして荷受けしやすいように工夫した。「今回、要望に沿った柔軟な対応をご評価いただき、入居が決まりました」と片山氏は笑顔で語り、ホワイト物流の一環としてドライバーの働きやすさの向上に努めている。

 また急成長しているのがEC専門のアウトソーシングサービス「ネットデポ」だ。面倒な入出荷から梱包、発送代行、納品書発行、ECサイトに掲載する商品撮影などをワンストップですべて提供。ECの創成期からサービスを開始し、すでに500以上の小売業やメーカーなどとの取引実績がある。最近では化粧品メーカーの流通加工業務の受託を見越し、化粧品の製造業(包装・表示・保管)の許認可取得を予定。輸入商品を日本用にラベルを貼り替えるなどで対応の幅を広げる計画だ。

越谷物流センターでは都心部に1日2回転が実現した