生協の宅配パルシステム。パルシステムの公式ホームページを開くと、宅配事業に特化した生協であることが明記され、続く画像では、高齢の農家の主人が採取した瑞々しいレモンを愛おし気に見ている。宅配に産地直送はパルシステムの特色であり持ち味。この両者にいかに磨きをかけるか、コロナがその契機ともなっている。(インタビュアー・栗田晴彦)

物流能力を高めデジタルを活用

 ――コロナ下で生協の宅配の存在感が一段と高まっています。足元の利用状況はどうですか。

 大信 家庭内での食事が本当に増えているんだなと、改めて思っています。私ども昨年度(2021年3月期)は供給高が前年比17%伸びました。これには利用人数が7%伸びたこともありますが、それ以上に1回当たりの購入金額が10%伸びたんですね。この傾向は今期も続いていて、上期は利用人数は0.5%の微減だったんですが、購入金額は3.2%増とさらに伸びて、その結果、供給高は2.7%増で着地しました。また注文されるものもコロナが始まった当初はマスクや衛生商品、保存食が多かったんですが、1年を通してみると一番伸びたのは食事の材料とおやつ関係で、それが今期も続いているんです。

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