コロナ禍で落ち込んだ世界経済が回復に向かうとともに、原材料価格や物流費が高騰、特にそれが食品の原材料に顕著に表れている。異常気象や天候不順により大豆、小麦などの穀物の収穫量が減っているにもかかわらず、インドなどの新興国の人口増加、中国の経済回復、穀物をバイオ燃料として転用する米国など、多方面で穀物の需要が拡大している。また、経済回復で荷動きが活発になり、コンテナが不足し、コンテナ運賃高騰も追い討ちをかけた。こうした状況から食品メーカー各社は今年3月頃より該当する食品の価格転嫁に動いている。

 影響の大きい食用油は原料の大豆や菜種の国際価格の高騰により、今年に入って4回も値上げを発表、1kg当たり合計130円の値上げとなる。食用油の高騰は様々な食品の価格にも影響を与えており、業務用、家庭用のマヨネーズは7月1日より2~10%、マーガリンも10月1日より2~13%引き上がる。製粉大手3社は政府の輸入小麦引渡価格の引き上げを受け、2~4%値上げ、同時にパスタ麺やミックス粉も7月より順次値上げした。

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